BtoBマーケティング基礎
「BtoB商材」3つのタイプとは?

BtoBマーケティング基礎 「BtoB商材」3つのタイプとは?

BtoBマーケティングに取り組む際、多くの企業が「どのような施策が自社に合っているのか」と悩みます。SEOや広告、メール配信、ウェビナーなど、デジタルマーケティングの手法は多岐にわたりますが、実は自社の商材がどのタイプに該当するかによって、取るべき戦略は大きく異なります。
本記事では、BtoBマーケティングにおける商材の3分類(プロダクト型・ソリューション型・部品型)を解説し、それぞれに適したマーケティングアプローチをご紹介します。自社の商材特性を正しく理解することで、限られたリソースを最大限に活かした施策展開が可能になります。

BtoBの商材は「3つのタイプ」に分類できる

BtoBビジネスで扱う商材は、大きく以下の3種類に分類できます。

プロダクト型

プロダクト型商材は「仕様がある程度パッケージ化された」商品です。
無形商材であればSaaSのライセンス、業務ツールがこれに該当します。有形商材だと特注でない、素材や形状がある程度パターン化された製品です。買い手が自社内で利用するために導入される製品を指します。(自社製品に組み込んで使用される場合は後述する「部品型」に分類されます。)

ソリューション型

ソリューション型商材はパッケージ化されておらず、顧客課題に合わせてサービスや商品が大きく変わる商材です。
コンサルティング契約やシステム構築などがその典型であり、買い手は社内の課題を認識しつつも「具体的な解決方法が分からない」「パッケージ商材・システムでは解決できない」という課題を抱えています。

部品・素材型

部品型商材は、買い手が製造・提供する最終製品の一部として組み込まれる商材を指します。
製品内のパーツや部品、システム系だと自社サイトやアプリに組み込まれる決済システムやログイン認証基盤などです。

この分類は、単に商品の形態を表すだけでなく、買い手の購買行動・意思決定プロセス・必要なコンテンツ・適切なマーケティング施策のすべてに影響します。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

1. プロダクト型|短期CV獲得を狙う「ヒット狙い」戦略

商材の特徴

プロダクト型は前述の通り、買い手が自社業務で直接活用する定型化されたサービスを指し、SaaS等がこれに該当します。
ターゲットとなる担当者はその領域におけるリテラシーはそこまで高くなく、専門知識が深くなくても検討・購入できるケースが多いのが特徴です。

問い合わせ・CVの要因

プロダクト型でCVが発生する主な要因は、「自社課題へのフィット度合い」です。具体的には以下の点がお問い合わせの判断に影響します。

  • ・自社課題を解決できるイメージが持てるか
  • ・機能・特長が明確に伝わるか
  • ・活用シーンがイメージしやすいか

効果的なコンテンツ

「この商品が自社の課題に合うかどうか」をサイト上で判断するべく、見込客は「事例・活用例・活用シーン」のコンテンツをよく閲覧する傾向にあります。
特に、同規模・同業種における同一課題が複数あることは、見込客に有効に働きます。

サービスページでは「フック(興味喚起)」「結果(成果イメージ)」「安心(実績・信頼)」「特徴・機能」を順序立てて伝え、自社課題へのフィット感を訴求することが重要です。

推奨マーケティング施策

プロダクト型はSEOやリスティング広告による集客が有効で、検索経由で資料請求や問い合わせを直接獲得しやすいのが強みです。

  • ・SEO・リスティング広告で集客
  • ・資料請求・問い合わせへ誘導
  • ・MAツールによる継続的なメール配信で購買タイミングを把握
  • ・インサイドセールスから営業へとつなぐ

CVが取りやすい分、「量の確保」という観点で積極的にCV獲得・受注獲得を図るのが基本戦略です。ただし単価が高まりにくいという側面もあるため、1回の取引で終わらせず、リピート受注・継続受注を促進してLTV(顧客生涯価値)の向上を図ることが重要です。

2. ソリューション型|長期的な信頼構築による「ホームラン狙い」戦略

商材の特徴

ソリューション型とは、コンサルティングやシステム開発など、買い手の課題に応じてカスタマイズされる提案型の商材です。ターゲットは素人から玄人まで幅広く、意思決定に複数の関係者が関与することが多いのが特徴です。

問い合わせ・CVの要因

ソリューション型商材は、無形/高額といった特徴があるため、CVが発生する主な要因は「信頼性」になります。

  • ・どのような企業を支援しているか
  • ・自社に近い事例があるか
  • ・第3者からの評価はどうか
  • ・会社としての専門性が伝わるか

ここで重要なのは、買い手は「サービス内容」ではなく、売り手の「能力」を見極めようとしているという点です。しかし実際には「能力」を客観的に判断することは難しく、多くの買い手は「ブランド」「イメージ」「印象」で購入を決める傾向があります。

ソリューション型のWebアクセス実態

実際のアクセスデータを見ると、ソリューション型商材へのCVは、サービスページを1回見てすぐに問い合わせする、というシンプルな行動パターンではありません。

  • ・問い合わせ発生の4ヶ月前から最初の接触が始まる
  • ・複数の担当者が異なるタイミングでサイトを訪問する
  • ・AboutUSやメンバー紹介ページを念入りに閲覧する
  • ・直帰→再訪→再々訪を繰り返し、最終的にCVに至る

このように、ソリューション型は複数人による長期間の来訪でCVが発生するのが特徴です。そのため、アクセス解析や広告分析だけでは効果測定が難しく、施策の成果が見えにくいという点も理解しておく必要があります。

効果的なコンテンツ

ソリューション型では、サービスページ単体ではなく、周辺コンテンツの充実が成否を分けます。どの企業のサービスページも内容が似通ってしまうため、買い手はコラムや事例などの周辺コンテンツを通じて「この会社の知見・ノウハウ・カバー範囲」を見極めようとします。
特に充実させるべきコンテンツは以下の通りです。

  • ・コラム:ノウハウや知見を伝え、専門性を訴求
  • ・事例:実績を具体的に示す
  • ・専門家紹介・メンバー紹介:人の専門性を伝える
  • ・ホワイトペーパー:能力・知見をまとめたDL資料
  • ・ウェビナー:直接、能力と知見を伝える場

推奨マーケティング施策

ソリューション型では、広告やSEOによる直接的な問い合わせ獲得は難しいため、プッシュ型の施策が重要になります。

  • 1. SEO・ディスプレイ広告で集客し、コラムや資料を通じて知見を伝える
  • 2. リード獲得後、メール配信で定期的に接触を維持する
  • 3. ウェビナーへ誘導し、能力・知見をダイレクトに伝える
  • 4. インサイドセールスで個別にアプローチする
  • 5. 問い合わせ→営業へとつなぐ

メールマーケティングで継続的に接触を維持し、「あの会社は〇〇に詳しい」という印象付けを積み重ねることがCV拡大につながります。また、Webアクセスがあった人へのフォローメールなど、インサイドセールスの体制を整備することも不可欠です。

3. 部品・素材型|認知拡大と長期的な信頼構築が鍵

商材の特徴

部品・素材型とは、その名の通り、電子部品や食品素材など、買い手の商品・製品に組み込まれる商材です。
ターゲットは技術者や専門担当者など「玄人」が多く、高い専門性を前提とした情報提供が求められます。

問い合わせ・CVの要因

部品・素材型でCVが発生する主な要因は、「信頼性・用途の適合」です。

  • ・実績(信頼できるメーカーか)
  • ・用途(自社製品に使えるか)
  • ・品質(必要なスペックを満たしているか)

効果的なコンテンツ

玄人向けに、必要なスペックを満たしているか、用途が合致するかを確認できるコンテンツが重要です。

  • ・スペック・技術情報:詳細な仕様データ
  • ・用途・活用例:どんな製品に使えるか
  • ・品質・実績:信頼性の根拠となる情報
  • ・コラム:玄人に気づきを与える専門的な内容

推奨マーケティング施策

見込客からすると最終製品の品質を左右する部品・素材型商材は、知らない会社には問い合わせをしにくいため、認知度向上がデジタルマーケティングで成果を出すためのポイントとなります。
まずは「名前を知ってもらう」、その後、信頼関係を構築するため継続的なメール配信で関係を維持することが重要です。

  • ・認知拡大のための各種広告施策
  • ・技術/専門性/品質を訴求したホワイトペーパー
  • ・ハウスリストへの継続的なメール配信
  • ・問い合わせ・見積もり獲得へ
  • ・営業による個別対応

また、技術的な質問が多く、営業活動・営業期間が長くなりがちなため、腰を据えた成果創出を前提に取り組むことが重要です。

マルチプロダクトの場合のデジタルマーケティングの取組み方

BtoB企業の中には、単一商材だけでなく、複数商材を保有しており、その商材がプロダクト型とソリューション型の両方を持っているケースもあるのではないでしょうか。
この場合、重要なのはどちらか一方に偏らず、並行してマーケティング活動を進めることです。

プロダクト型
(ヒット狙い)
ソリューション型
(ホームラン狙い)
CVの取りやすさ ◎ 取りやすい △ 取りにくい
受注単価 低め 高め
基本戦略 量を確保・リピート受注でLTV向上 1件1件丁寧に・大型受注を狙う

CVが取りやすいプロダクト型にマーケティング活動を集中させてしまうと、高単価受注が期待できるソリューション型の開拓が後手に回ってしまいます。
「ヒット(プロダクト型)を積み重ねながら、ホームラン(ソリューション型)を狙う」という発想でバランスよく施策を展開することが、BtoBマーケティングの成果を最大化するポイントです。

まとめ:商材タイプの把握がマーケティング戦略の出発点

BtoBマーケティングで成果を上げるためには、まず自社の商材がどのタイプに該当するかを正確に把握することが出発点です。

  • ・プロダクト型なら、SEO・広告を活用した検索マーケティングで量を積み上げ、MAツールで購買タイミングを逃さない仕組みを構築しましょう。
  • ・ソリューション型なら、コラム・事例・ホワイトペーパーなどの周辺コンテンツを充実させ、メールやウェビナーを通じた中長期的な信頼構築を優先しましょう。
  • ・部品・素材型なら、まず認知拡大を優先し、専門情報のコンテンツ整備とハウスリストへの継続接触で地道に信頼を積み上げましょう。

商材タイプに合わないマーケティング施策は、どれだけ予算をかけても思うような成果につながりません。
自社商材の特性を正しく理解した上で、最適な戦略を設計することが、BtoBマーケティング成功への近道です。

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