課題別に見るBtoBマーケティング成功事例と成果を出す考え方
コロナ以降、多くのBtoB企業がデジタルマーケティングに取組み始めましたが、
「デジタルマーケティングを行っているが思うように成果が出ない」
「他社がどの様な取組みを行っているのか知りたい」
「自社は営業主体のため、デジタルマーケティングを行って投資対効果が出るのか分からない」
といったお悩み、疑問も併せて出てきている様です。
今回は、弊社の事例をご紹介しながら、BtoBデジタルマーケティングで成果が出るポイントをご紹介いたします。
皆様のマーケティング活動に少しでもお役に立てれば幸いです。
課題から見るBtoBマーケティング成功事例
「BtoBマーケティングで思う様な成果が出ない」と言っても、対象商材や業界の構造/特性、クライアント様が保有するマーケティング資産によって成果創出のアプローチは様々です。
ここでは、課題別にどの様なアプローチを行い、どの様な成果が得られたのかご紹介します。
新規事業立上げで思う様な成果が出ないA社様の事例
A社様は特定業界で圧倒的にシェアが高く、認知度もありましたが、本プロジェクトの新規事業立上げにおいては、A社様がこれまで培ってきた顧客リストが活用できない新市場に新製品を投入するお取り組みでした。
当時、大手広告代理店にWeb広告出稿を委託していたものの、計画に対して成果が追い付いていない状態が続き、当社にご相談いただきました。
取組み事項
大きく3つの取組みを行い、最終的に3年で約5億円の売上創出に寄与しました。
Point1:広告運用方針をBtoBならではの取組みにシフト
当時のA社様の広告運用方針が、BtoCであれば成果が出る設計・運用になっていたため、ご支援開始直後にBtoBならではの運用方針、アカウント設計に変更。ご支援開始から1カ月後に成果を2倍にしました。
Point2:広告支援だけでなく、Webサイト全般をご支援
ご支援当時は広告支援のみでしたが、その後、ターゲットユーザーの購買行動プロセスに合わせて、SEO対策やWebサイト改善などを実施。ご支援開始から1年以内で成果を5倍にしました。
Point3:接点強化で売上5億円を達成
ご支援開始から1年後には、潜在層向けのリーチを強化しつつ、MAの取組み強化で深耕型のマーケティングを更に強化。
以上の様な取組みから、ご支援開始から3年で約5億円の売上創出に寄与しました。
営業が強い組織風土の中、デジタルマーケティング風土を醸成したB社様の事例
5万人の社員数を抱えるB社様は、従来から営業部が非常に強く、「デジタルマーケティング」は中々組織に根付かない状態が続いていました。
しかし、「DX」という市場の流れから、「デジタルを活用した営業活動の高度化/効率化」を経営企画はミッションとして課せられていた中で、当社にお声がけいただきました。
取組み事項
現在、B社様では「デジタルを活用した営業活動」が当たり前の組織風土になっており、1か月に1回の定例会では100名近くの方が参加しています。Web経由での新規見込客発掘数も、7.4倍に引き上がりました。
STEP1/投資期間:スモールスタート×クイックウィンで成果創出
B社様は商材が100以上ある状態でした。今回のプロジェクトの目的は、「デジタル機運を社内で醸成すること」にあったため、まずは「デジタルマーケティングで成果が出る」という実績を作る必要がありました。そこで、事業分野、商品を限定し、とにかく短期で成果を出す、という取組みを実施。スモールスタート、クイックウィンをコンセプトに取組みました。
STEP2/回収期間:横展開で全社のデジタルシフトを推進
STEP1で獲得した成功実績のエッセンスを凝縮し、他商材、他部門にも横展開できる様パッケージ化を実施。経営企画主体となり、STEP1の成功モデルを全社展開し、営業活動のデジタルシフトを推進し、当初の目的であった「デジタル機運を社内で醸成すること」を果たす結果となりました。
EC活用でオムニチャネル戦略を推進したいC社様の事例
BtoB企業を対象に小売業を営むC社様は、ECでのオムニチャネル戦略を広告代理店と進めていたものの、中々思う様な成果が出ていなかった実状があり、当社にお声がけいただきました。
取組み事項
当初、C社様では広告運用のみ行っていましたが、広告改善はもちろんのこと、集客後のWebサイト改善や、顕在キーワードのSEO対策を徹底的に行い、ご支援開始当時から3年半で約3.6倍の売上に伸長しました。
Point1:リスティング広告の最適化で売上1.3倍。
当社ご支援前のリスティング広告では指名キーワードが出稿されており、広告予算もそこで消化されている状態でした。指名キーワードで流入してくるユーザーは、元々C社様を知っているユーザーということもあり、わざわざ広告でそのキーワードを買わなくても売上は変わらないだろうという仮説の元、指名キーワードの出稿を停止。一般キーワードに予算を集中させ、最適化を進めた結果、売上は四半期比較で1.3倍になりました。
Point2:重点キーワードの徹底したSEO対策で売上2.3倍
Point1の取組みにより、勝ちキーワードが明確となったため、売上につながるキーワードから優先的にSEO対策を実施しました。その結果、検索順位が安定的に上位にランクイン。自然検索流入が増加したことで売上も増加し、支援開始から比較すると売上は約2.3倍まで伸びる結果となりました。
Point3:ユニコーンの創出
リスティング広告のクリエイティブテストを高速で行ったことで、複数のユニコーンが発生し、CPAが大幅に下がり、それに伴い売上もご支援当初から3.3倍になりました。
※ユニコーンとは:Googleの広告アルゴリズムにぴったりとはまり込み、低いクリック単価で露出回数が急増する広告文面をユニコーンと言います。100アカウントに1つの文面しか出現しないと言われており、出現すると、露出回数・クリック率ともに大きな成果が出ます。意図的に出現を狙う方法は難しく、広告文面を改善し続け、効果検証を行い続けることがポイントとなります。
プレイヤーや取引先が固定化されている成熟業界にいるD社様の事例
物流業界のD社様は、競合企業も取引先も固定化されており、新規開拓が難しい状況にありました。新たな営業チャネルとして、デジタルマーケティングを活用できないかと考え、当社にご相談いただきました。
取組み事項
成熟業界ということもあり、物流において何か困りごとがあれば見込客は既存の発注先に相談するであろうという仮説の元、「運送会社を探しているユーザー」をターゲットとするマーケティング活動ではなく、物流業界における「サステナビリティ経営」や「2024年問題」といった業界トレンドを軸においたデジタルマーケティングを行いました。その結果、当社支援前と後でWeb経由の見込客が約8倍になりました。
Point1:業界課題キーワードでSEO対策と、ホワイトペーパーを準備
「物流2024年問題」といった業界トレンドキーワードにて集客コンテンツを作成し、徹底的にSEO対策を行いました。また自然検索流入後は、もちろんリード獲得を行う必要があったため、並行して情報収集段階の見込客のニーズを満たすべく、潜在層向けのホワイトペーパーを準備しました。
上記を行った結果、主要キーワードではSEO対策1~3位を取得。リードも毎月100件を獲得する結果となりました。
Point2:マーケティングオートメーションの活用
Point1の取組みにより、毎月100件のリードを獲得出来ていたため、第2フェーズとしてマーケティングオートメーションを活用し、ナーチャリングの取組みを開始しました。配信するメールにおいても、サービスの売込みは一切せず、とにかく物流に関するトレンドや、業界課題と他社事例など情報提供に徹していました。
その結果、「物流業界の課題解決ならD社」という認知を築き上げ、指名検索での問い合わせが増加。
ご支援開始から2年弱で問い合わせ13倍になりました。
競合がテレビCMを打ち、問い合わせが下がったE社様の事例
サービス業のE社様は、それまでデジタルマーケティングを広告代理店に任せていたものの、競合がテレビCMを打ち、明らかに問い合わせが下がってしまっている状況のところ、当社にお声がけいただきました。
取組み事項
いくら競合がテレビCMを行っていても、BtoBの購買行動は、BtoCと異なり複数の関係者への説明が求められることも影響し、「感覚」による購買行動は行われにくく、「論理」による購買行動が行われます。つまり、高い確率で「相見積もり」が行われるため、認知度を高めている競合の比較対象先としてE社様が選ばれれば、充分に戦えると考えました。そこで、見込客の記憶に残すため「ワンメッセージ」を明確化し訴求、また、デジタル市場では圧倒的に認知度が高い状態にすることで、ご支援開始から1年で3倍の成果創出を実現しました。
Point1:強みの明確化を行い、ポジショニングを再定義
E社様が属する業界は多くの競合他社がひしめき合っているにもかかわらず、E社様は名だたる企業との取引実績がありました。この様な素晴らしい実績を有する要因をヒアリングしてみたところ、サービスを提供する「人」と「仕組み」に強みがあり、高品質なサービス提供を行っていることが浮き彫りになりました。
そこで、ポジショニングを再定義し、ワンメッセージを明確化。Webサイト内のコンテンツや、広告クリエイティブも、ワンメッセージが見込客に伝わる様に設計し直しました。
Point2:徹底したSEO対策
ワンメッセージをWebサイトに反映した後は、リーチの強化を行いました。見込客が検索するであろう検索キーワードで、徹底的にSEO対策を実施。見込客が着地した後も、Webサイト内を回遊することでワンメッセージが伝わるように導線設計を行いました。
以上の取組みを行い、競合がCMを打っている中でも、支援開始1年で3倍の成果創出を実現しました。
まとめ
いかがでしたか。
BtoBマーケティングで成果を出すためには、
- ・戦略策定
- ・戦略推進のための組織づくり
- ・マーケティング活動の精度を上げるためのデータ活用
- ・BtoB企業特有の購買行動プロセス、業界・商材特性の熟知
が重要となります。
リーディング・ソリューションではBtoBデジタルマーケティング市場の黎明期から20年にわたり、ノウハウ開発を続けてきており、再現性の高い打ち手を50のテーマ210の施策として保有しています。
今回のご支援実績をご覧いただき、もし当社でお役に立てそうであれば、是非お気軽にご相談ください。