BtoB企業のマーケティングオートメーション基礎知識

マーケティングオートメーションの導入前に知っておきたい基礎知識

今、注目を集めているマーケティングオートメーション。BtoB企業のマーケティングには欠かせない存在になっています。マーケティングは、近年、その方法に大きな変化が生じています。これまでブランディング・認知拡大が中心だったマーケティングも、今では、顧客とのコミュニケーションを通じたマーケティング施策が主流です。その中でも、重要な役割を果たすツールがマーケティングオートメーションです。
しかし、マーケティングオートメーションについて興味はあるものの、いまいち理解できていないという方へ、その基礎的な内容をご紹介します。

1.なぜマーケティングオートメーションが必要なのか

マーケティングオートメーションは、マーケティングの場に突如として現れたのではなく、当然、必要性があって活用されています。そもそも、マーケティングオートメーションはどのような課題があり、それをどのような方法で解決するために登場したツールなのでしょうか。

1-1.マーケティングと営業の課題

一般的に、BtoB企業においては、マーケティングも営業も、どちらも人員不足という課題があります。近年、マーケティング活動といえば、リード情報からメールマガジンを一斉配信したり、HOTなリードに対して直接電話をしたりと、多くの人員を要する業務の数が多くなっています。また、営業活動においても、見込み顧客に対して直接アプローチをかけるといった個別対応に忙しいのが現状です。
このように、マーケティングと営業の現場においては「人員リソース不足」という課題が目立ちます。当然、個別の人的アプローチでは時間がかかるため、なかなか成果が見えないといった問題も同時に起きています。

1-2.マーケティングオートメーション導入でどのように課題が解決するのか

このようなマーケティングと営業の課題に対する解決策として、マーケティングオートメーションの導入があります。では、マーケティングオートメーションは、どのように課題を解決するのでしょうか。
マーケティングオートメーションは、個別の営業活動に近い業務を、マーケティング活動の中で行えるといっても良いでしょう。そして、マーケティングと営業両方の「人員リソース不足」という課題が解決されます。
マーケティングオートメーションを利用することで、見込客のニーズを把握し、見込客のHOT度合いに応じたアプローチができるようになります。
また、マーケティングオートメーションには、マーケティング活動を支援する機能もあります。例えば、顧客管理や顧客のセグメント、行動履歴の閲覧が行えたり、リード獲得のためのフォームを作成する機能や、メール配信ツールと同じように配信スケジュールを設定する機能などがあったりします。
このように、マーケティングオートメーションは、マーケティングと営業の課題を解決し、業務を効率化します。

2.マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーションはどのようなツールなのでしょうか。まずは、その目的と、BtoB企業にとってどの辺りが適しているのか、そして、よくある誤解について見ていきます。

2-1.マーケティングオートメーションの目的

マーケティングオートメーションの目的は、「マーケティング活動の効率化を通じて、売上向上を実現すること」です。
マーケティングオートメーションには、マーケティング活動を支援する多数の機能が存在します。例えば、顧客データベース、メール配信などの、マーケティング活動に欠かせない機能のほか、見込客や既存顧客がとる行動履歴を把握するための機能、スコアリングする機能などがあります。そして、あらゆる結果をレポートする機能も持つため、次回の施策に役立てることができるのです。
また、プロセスを自動化する側面もあります。例えば、メールを配信するに当たり、従来は個別にメールソフトを使って手作業で行っていたものを自動化することができます。このように、マーケティングオートメーションには、マーケティング活動の業務効率化に役立つ機能もあります。

便利な機能とプロセス自動化により、これまで手作業で繰り返し行ってきた人手のいる作業を減らすことで効率化し、売り上げアップにつなげること。これが、マーケティングオートメーションの目的です。

2-2.マーケティングオートメーションはBtoB顧客対応に適している

マーケティングオートメーションは、BtoB企業の顧客の行動を考えると、BtoBマーケティングにとても適しているといえます。
BtoB企業の顧客が、何か新しい製品やサービスを購買しようとしたとき、その購買行動の流れと中身は、それぞれの顧客によってさまざまです。展示会やセミナーに参加したり、WEBサイトから資料を請求したり、問い合わせをしたりと複数のパターンがあります。また、売る側からしても、メール配信や電話アプローチ、営業アポイントの獲得や営業活動など、顧客のニーズや行動に応じて、さまざまな活動をします。
このように、法人を相手にするBtoB企業のビジネスにおいては、あらゆる顧客の行動パターンに対して、臨機応変に対応することが必要になってきます。
そこで役立つのが、マーケティングオートメーションです。マーケティングオートメーションでは、見込客の行動パターンをあらかじめ、いくつか用意しておき、それぞれのパターンへの対応を自動化させることができます。対応する顧客やパターンの数が増えるほど、その役割を存分に発揮します。

2-3.マーケティングオートメーションのよくある誤解

このように、BtoB企業にとって有意義なマーケティングオートメーションですが、よく次のように誤解されることがあります。それは、「メール配信ツール」と混同することです。

マーケティングオートメーションは、メール配信ツールとはまったく異なるツールです。
マーケティングオートメーションは、ほとんどの場合、メール配信機能を備えています。しかし、それは単発でメールを配信するメール配信ツールとは異なります。マーケティングオートメーションでは、メール配信は一つの機能に過ぎません。
先にも紹介した通り、マーケティングオートメーションは多数の顧客接点に対して、個別対応ができるツールです。一顧客との複数の接点を統合して一つのデータとするのがマーケティングオートメーションであり、メールは、それぞれの接点に応じて、しかるべきタイミングで送るものです。
もし、メール配信ツールのように、ただメール配信機能だけを取り出して利用するのであれば、マーケティングオートメーションの目的をはき違えることになります。

3.マーケティングオートメーションの使い方とポイント

では、マーケティングオートメーションは、どのように利用するのがベストなのでしょうか。基本的な使い方や活用ポイントを見ていきましょう。

3-1.マーケティングオートメーションの使い方

マーケティングオートメーションでは、見込客との接触の履歴をすべて残すことができます。例えば、「WEBサイトに訪れた見込客が、導入事例のページを閲覧した後、料金ページへ移った」などの行動トラッキングを行います。また、資料をダウンロードするために、見込客がフォームに入力した情報を取得することもできます。さらに、各見込客の行動を自動で分析し、行動履歴に応じ、あらかじめ設定したマーケティングシナリオを自動で発動し、見込客のニーズにぴったりのコミュニケーションを図ることができます。見込客にとっては非常にタイムリーなメールがやってくるため、ニーズが満たされ、また一歩、HOT客に近づくでしょう。
マーケティングオートメーションは、このように、見込客の行動を追跡し、一つのレポートとして出したり、こちらからのメール接触のサポートをしたりする役割を担います。
よって、マーケティング戦略をベースとした見込客とのコミュニケーションを、自動化・効率化するために使用するのが正しい使い方といえます。

3-2.マーケティングオートメーションの活用ポイント

見込客を育成し、よりHOTな状態に引き上げるためには、できるだけパーソナライズされたメールを、的確なタイミングで送ることが重要です。このようなタイムリーなコミュニケーションを行うことで、見込客の心をつかむことができます。
よって、見込客の行動パターンごとに送るメールの本文は、丁寧に作り込みたいものです。マーケティングオートメーションそのものは、行動履歴の抽出や、メール自動配信などの自動化・効率化のために使用しましょう。自動化できるところは自動化してしまい、人員は人の手が必要なコンテンツ作成や、レポート結果の分析などの業務のみに集中することが大切です。これにより、多くのBtoB企業が直面している「人員リソース不足」の問題もカバーできるでしょう。

4.マーケティングオートメーションの活用方法

では、次に、マーケティングオートメーションの活用方法をもっと具体的に見ていきましょう。

4-1.顧客接触シーンに応じたマーケティングオートメーションの活用

マーケティングオートメーションは、主に次のような顧客との接触シーンで活躍します。

登録フォームによる接触

WEBサイトやSNSなどで自社の製品・サービスの情報を見た見込客は、資料請求やメールマガジンの購読登録、資料のダウンロード、その他の問い合わせなどを通じて、フォームから情報を入力します。通常、マーケティングオートメーションでは、このフォームを作成でき、入力されたメールアドレスに対して、自動返信メールを返します。これにより、リード情報の獲得とファーストコンタクトが実現します。

ブログ記事や資料、セミナー・展示会による接触

マーケティングオートメーションは、リードナーチャリングにも役立ちます。取得したリード情報を元に、メールマガジンを送ったり、ブログや事例などのコンテンツに誘導したり、セミナー・展示会への参加を促したりして、リードナーチャリングを進めることができます。見込客それぞれの行動やニーズに応じてタイミングよく、臨機応変に対応する機能が、マーケティングオートメーションには備わっています。

営業アポによる接触

リードナーチャリングを進めていくと、徐々に、見込客の購買意欲が高まってきます。そしていよいよ成熟段階に至ったら、マーケティングオートメーションはそのことを教えてくれます。そして、しかるべきタイミングで営業アポを取ることができるのです。
営業担当者は、クロージングのために、マーケティングオートメーションに残された、見込客の行動履歴を参考にすることもできます。

4-2.マーケティングオートメーションの活用例

例えば、BtoB企業で製品の売り上げを上げるために、マーケティングオートメーションを導入する場合、次のような活用で成果を上げることができます。

  • ・登録フォームを作成し、WEBサイトに設置して、リード情報を取得。メールを送ったところ、どの見込客がメールに記載のリンクをクリックして、どのページに訪問したのかをリアルタイムで確認できた。さらに、ページの閲覧履歴から、見込客のニーズを予測できた。
  • ・ページ閲覧履歴から、見込客を自動抽出。「詳しい製品機能について知りたい」「事例が知りたい」「コストパフォーマンスが知りたい」などの想定されるニーズごとに、配信するメールを変えた。
  • ・コンテンツ提供やメール配信、セミナーなどを繰り返してナーチャリングを続けた結果、購買意欲の高まった見込客から問い合わせがあった。営業担当者へのスムーズな引き渡しが実現し、コスト削減にもつながった。

このように、マーケティングオートメーションはマーケティング活動と営業活動にうまく組み込むことで、売り上げアップやコスト削減を実現することができます。

まとめ

マーケティングオートメーションは、売り上げアップのために、マーケティング活動を自動化・効率化する機能を有するツールです。さまざまな機能を通じて、リード情報取得からリードナーチャリング、質の良いリードを営業へ引き渡すまで、一連のマーケティング・営業活動をサポートします。そして、多くのBtoB企業の課題である、人員リソース不足を解決してくれます。
このように、マーケティングオートメーションは、BtoB企業にとって、会社の規模を問わず活用する価値があるツールです。

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